#マツモト建築芸術祭15 割烹松本館⑪ 太田南海・小畑多丘

2022.2.19
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#マツモト建築芸術祭15 割烹松本館⑪ 太田南海・小畑多丘

マツモト建築芸術祭も閉会まで数日となりました。休みと合わずようやく割烹松本館に行くことが出来ました。
すでに大勢の来客の靴が玄関に並び人気の高さが伺えます。

割烹松本館

松本館外観

玄関で靴を脱いで消毒して検温してもらい、連絡先を記入します。

玄関から突き当たりに名古屋松坂屋と書かれた年代ものの大鏡と見事な生け花が迎えてくれます。

大鏡と生け花

お見逃しなく!

太田南海作 「弱法師像」

廊下を歩いていると過去に松本市美術館「太田南海展」で見た懐かしい「弱法師像」がガラスケースに展示されていました。

松本館太田南海

 

過去のブログ「一体の彫刻に物語が見える!「太田南海展」松本市美術館」

弱法師と呼ばれる盲目の若い乞食の袖に梅の花びら散りかかり、その香りを愛でる姿を表現しています。花びらの描写がなくても本当に舞っているかのように感じます。

先ずは、2階の大広間から見てくださいと、松本館のスタッフの方に誘導して頂き2階の大広間に行きました。

 

松本館会場

2階大広間「鳳凰の間」

大広間の中央に置かれた宇宙人ぽい黄色い服を着た彫刻

小畑多丘1

小畑多丘 taku Obata

新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、松本聖十字教会の内部への入場が不可となり、展示会場が割烹松本館へと変更となりました。

昭和55(1980)年埼玉県生まれ。平成18(2006)年東京芸術大学美術学部彫刻学科卒業、平成20(2008)年同大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。「B-BOY(ブレイクダンサー)」の木彫を軸に、ドローイング、版画、写真、映像など平面作品の制作も行う。自らもブレイクダンサーとして活躍し、平成11(1999)年にヒップホップチーム「UNITYSELECTIONS」を、平成19(2007)年に「HIPHOP戦隊BBOYGER」を結成。ブレイクダンスの経験を生かしてその技術や躍動を表現に取り入れ、台座のない木彫による人体と衣服の関係性や、「B-BOY」の彫刻を端緒に生まれる空間の変質を追求することで、緊張感と迫力にあふれる作品を展開している。

 

近年の展示に、『LET’S MOVE IT』(PARCE、東京/2020)、『TAKU OBATA SCULPTURE Display』(Japan House London、ロンドン/2020)、『HYPER LANDSCAPE 「超えていく風景」』(ワタリウム美術館、東京/2018)、『NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体』(埼玉県立近代美術館、埼玉/2016)。個展では、『BUST A MOVE』(Jonathan LeVine Gallery NY、ニューヨーク/2014)、『小畑多丘B-BOY on Sky Court 』展(中村キース・ヘリング美術館スカイコート・自由の回廊、2012)など。

令和元(2019)年にロンドンでのアーティスト・イン・レジデンス「MA show」(City and guilds of London art school BA / 2019)。平成20(2008)年に「トーキョーワンダーウォール公募2008」大賞を受賞。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

太田南海 Nankai Ota

明治21(1888)年、長野県松本市生まれ。本名は桂一。才能を見込んだ人形師の父により、明治38(1905)年に木彫家の米原雲海に入門。21歳で「南海」の号を贈られる。また、日本美術院を率いた岡倉天心にも絵の才能を見出され、彫刻のみならず日本画など多彩な作品を残した。師匠からの信頼が厚く、明治45(1912)年に雲海塾を卒業した後も、雲海工房の主力として活躍。善光寺仁王像の頭部など主要部分の制作や、松平直政公の巨大な騎馬像の仕上げにも携わった。

昭和5(1930)年に東京から松本に拠点を移し、仏像や肖像、祭りの舞台などを制作しながら文展や帝展への出品を続けた。昭和10(1935)年頃「松本館」の新築に関わり、設計や室内の装飾彫刻などを手掛けた。昭和34(1959)年に70歳で生涯を閉じるまで松本で活動を続け、地元作家の団体を設立し発表の後押しをするなど、地元の芸術振興に尽力した。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

 

圧巻の天井絵

天井・障子腰他の絵画は、金子嶺挙画伯(横浜)の作品で約3年八か月松本館に滞在し描かれたものであり、祝いの席にふさわしく天井蛇腹に鶴、障子腰には亀、そして天井中央には〈百花百鳥〉を配しております。

松本館大広間鳳凰の間

「鳳凰の間」は、設計、監修、彫刻は彫刻家太田南海氏が手掛けたもので、至るところに南海氏のエッセンスを感じ取れます。
過去の記事「1度は訪れたい老舗割烹「松本館」太田南海氏プロデュース大広間に感動!」もご覧ください。

床の間 滝上がりの鯉

右床柱の滝上がりの鯉は諏訪神社下社祭礼の際に用いられた由緒ある出し飾り山車の飾り(伝立川流三代目和四郎〈江戸末期1820年代〉作)を戴いたものです。

滝上がりの鯉

誰もが見とれてしまいますね。

鳳凰の間 来場者

葡萄の間

太田南海氏がプロデュースした「葡萄」をモチーフにした小部屋です。あちらにもこちらにも葡萄尽くしのほっこりする素敵なお部屋も見せて頂きました。

葡萄の間 堀ゴタツ
葡萄の間 床の間

天井に美しい花のレリーフが施されています。

松本館葡萄の間天井

1階 登録有形文化財「八角堂手洗」

贅沢すぎる装飾の手洗いは、ホテル雅叙園東京の手洗いを真似て造られたそうです。

松本館葡手洗い

天井も手を抜かない鮮やさです。

手洗い天井

マツモト建築芸術祭が開催されたことにより、再び割烹松本館を訪れることが出来て主催者の方に感謝いたします。

またすでにSNSや巷でも噂になるほど、松本館の女将さんをはじめスタッフの方々の心のこもった丁寧な応対に多くの方が感動したとコメントを寄せています。
お店を閉めて、ボランティアで対応してくださっていることに老舗割烹松本館の心意気を感じました。ありがとうございました。

4年2月17日マツモト建築芸術祭
アルモニービアン(旧第一勧業銀行松本支店)に続く・・

マツモト建築芸術祭も今日・明日と残り2日間になりました。